舞妓から芸妓さんにならはった人を襟替えさんと言います
最近は舞妓さんだけで芸妓さんにはならんと辞めてしまわはる
人もおいやすそうで、ず~と舞妓さんでいたいと思わはる人も
いはるかも知れません
舞妓さんは芸妓さんの卵の様な存在やのに今では大人気は舞妓さん
の方どすけどうちは早う芸妓さんになりとうて、うずうずしてましたぇ
芸妓さんになりたい訳は地毛で髪を結わんでもようなるのんで
枕の事、気にせんでも寝られる
お座敷でも屋形でも舞妓より自由が効くようになる
大人っぽい舞を舞わせてもらえる…など色々な理由がおすけど
一番はやっぱり、あんな芸妓さんになりたいと思う憧れの姉さんが
いはる事どした
憧れの姉さんとお座敷やお稽古場で出会うとポ~としてお客さんの
話しもお師匠さんの声も耳に入らん様になってしもて笑われたり
𠮟られたり…
襟替え迄のほんのわずかの間、先笄(さっこう)という髪を結います
江戸時代の最後らへんに関西で若奥様が結うてはった髪形で明治ころ迄
は一般でも結われてたそうどすけど、今では舞妓の襟替え前にしか
見られへんみたいどす
いよいよ明日から芸妓さんという最後の晩、先笄をほどく時
姉さんやお母さんに元結(もっとい*)にハサミを入れて貰う
時は感無量の想いどす
ほんまにこれで舞妓は終わりなんやなぁとの気持ちと
明日からは芸妓さんやしっかりせなとの身の引き締まる気持ちとで
この夜は、なかなか寝付けしまへんどした
おおきに ほな 又
*元結(もっとい)…髪を結う時、根元を結ぶために使われている
紐の事で和紙で出来ている
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