姉さん達がお稽古してはんのを見て憧れたもんのひとつに
笛のお稽古がありました
笛を吹いてはる姿が格好良う見えたんと、笛の音が心地ようて
大好きどした
平安時代、笛は殿方の楽器で女の人は琵琶や琴などの弦楽器を
奏でてはったそうな…
憧れてお稽古したものの、最初はスースー云うばっかりで
全然音が出ぇしません
スースー時々ピーピー、あの憧れの笛の音はどうやったら出んのんか?
もうええ加減、嫌になってた頃、初めて音らしい音が出た時は
嬉しゅうて笛を抱いて寝たくらいどすねん
平家物語で有名な平敦盛(たいらのあつもり)の青葉の笛や
「陰陽師」にも登場する笛の名手源博雅(みなもとのひろまさ)が持っていた
銘笛 葉二(はふたつ)など「笛には名前が付いているんぇ」と姉さんから
教えて貰うて、大胆にもうちは自分の笛に 椿の笛と名ぁを付けました
お母さんやら舞妓仲間には「大層な…」と笑われましてんけど
うちは大満足どした
椿の笛は二代目が健在で今もお稽古に使わせてもろてます
おおきに 又 おはように
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