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紅子

39 お精霊(おしょらい)さん

お盆と言うてもお座敷はあるのんどすけど、お昼間

「お精霊迎え(おしょらい むかえ)」に行きます

お精霊迎えと云うんは、お盆の間、仏様に帰って来て貰う為

お寺迄お迎えに行くのんどす

屋形近くの六道さんへ行ってご先祖さんの名が書いてある塔婆(とうば)に

槙の葉で水をかけて、お迎え鐘をついて帰ります

「鐘をつきに行った人の背に乗って帰って来はるのぇ」と聞かされて

ましたしそ~ろと帰りました

そんで16日、五山の送り火でご先祖さんは戻って行かはります

花街の行事とは違いますけど、うっとこの屋形ではお盆のこの行事を

大切にしてはりました

朝、小母(あば)ちゃんが炊かはったご飯とお精心のおかずを

お供えして、お稽古に行くのんは仕込みさんも舞妓も屋形のもん

みんなで交代でしてました

そして、おこしらえの前にお供えと同じもん頂いてから

お座敷へ行きました

お座敷での話題も自然とご先祖さんのお話やら、時には恐いお話に

なったりします

そんな恐いお話、聞いた後は帰り道

「ひとりで帰るのん怖いし、みんなでひっついて帰ろうさぁ」とか

言うて舞妓同士キャーキャー言いながら帰りました

お精霊さんと聞くと あのお供えのお精心の味を思い出したりしています

おおきに  又  おはように

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